●2017年分の相続税路線価は、金沢市を中心に上昇が続き、これに伴い相続税負担も着実に増加していますね。

●また、先般、国税庁は、広大地の評価方法について見直し案を公表しましたが、見直し後は多くの土地で評価額が増加することになる見込みです。

●かかる状況下、現在の不動産市況を上手に活用した相続対策が急務になっています。

●相続税計算上、市街地の宅地は、原則として路線価に基づき下記のように評価されます。

相続税評価額= 路線価× 各種補正率(奥行、角地、形状等による増減価)× 面積

●7月3日に発表された2017年分の相続税路線価は、金沢市中心部で幅な上昇が続きました。この4年間で3割以上上昇している地点が多数あります。

●これに加えて、2015年1月以降に発生した相続分から基礎控除額が引き下げられていますので、路線価の上昇とあいまって、4年前であれば相続税を支払う必要がなかったのに、今では相応の税負担が生じるケースがかなり発生しているものと考えられます。

●金額次第では、遺産分割の容易性や納税資金確保の観点で、生前の売却や買換えが望ましいケースもありそうです。過去に相続対策を実施している場合でも、今年の路線価や実際の取引相場等を確認のうえ、あらためて現時点で有効な対策を検討、実施することが必要になっています。

●広大地の評価方法の見直し

●前述の相続税の基礎控除引下げに続き、富裕層への課税強化の方針が加速しています。
●その一環として、平成29年度の税制改正大綱で広大地の評価方法の見直しが明記され、平成29年7月21日までパブリックコメントが募集されていました。

●主な改正点は、①「広大地の評価」を廃止し、②適用要件を明確化した「地積規模の大きな宅地の評価」を新設するものです。

●改正により面積や容積率等の要件を満たさず、評価減が適用できなくなる土地が増えることが考えられますが、一方で、現行では除かれている中高層の集合住宅等の敷地であっても新要件さえ満たしていれば適用できる場合もあります。

●しかしながら、改正前と比べ、評価額の減価率は総じて小さくなります。さらに、現行では面積が大きくなるほど減価率も大きいですが、改正後は減価率の伸びが鈍化し、享受できる評価減が縮小する分、面積が大きいほど改正による影響が大きくなります。

●改正案は、平成30年1月1日以後に相続・贈与等により取得した財産の評価に適用される予定です。

●仮に改正案の内容通り適用になることを前提とした場合、減価率が縮小することに対しては次の投稿記事のような検討策が考えられます。

(不動産鑑定士・小西均)